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Vol.2 インフォームドコンセント1

今回からは少しづつ当院の診療スタンスについてお話していきたいと思います。

インフォームドコンセントという言葉をご存知でしょうか?
人の医療の領域ばかりか獣医療でもすでに常識化した言葉なので知っている方も多いと思います。
70年代後半のアメリカで合衆国大統領委員会が提唱したものがその始まりです。
インフォームドコンセントは直訳すれば「説明のうえでの同意」となりますが、訳語はあまり定着していません。
その内容はというと、わりとはっきりしていないのが実状ではないでしょうか。
一般的なイメージで言うと「病気や治療法、予後などを丁寧に説明する」ここまでは双方にとって同様でしょう。  ここから先に医師と患者の間で少しズレが出てくるような気がします。
医師の側から言うと「その後納得してもらう」、患者の側から言うと「その後説明になかった事態は起こりえない」といったところでしょうか。
どちらかというと責任を押し付けあうようなイメージでよくありません。

私の考えるインフォームドコンセントとは双方がよく話し合い、お互いを理解し、信頼関係をより緊密にするということです。
飼主さんが獣医師を信頼するだけでは半分です。
獣医師は飼主さんの価値観、人生観、実情、希望などをよく理解し、その技術や設備の範囲内で提示できる治療法を「考え続ける」ことが重要です。
そしてそれ以上のことには大学病院と連携をとり、高度医療に対応していかなければなりません。

また飼主さんはそういった自分の考えをよく獣医師に「説明する」ことが重要です。
「双方の説明による合意」、これこそがインフォームドコンセントです。

そしてもうひとつ、双方一緒になって病気の子のことを考えていきましょう。