2011/11/24
では前回の続きです。
一般的に化膿した所に異物があると化膿を止めるのが難しくなります、メッシュやシリコンなどを埋めた手術創が化膿したときはそれを摘出しなければならないときがあるくらいです。
不妊手術は関係ないと思っていませんか?ところが不妊手術などの傷の中にも異物あるんですよ・・・縫合糸という異物が。
また犬猫は自己抜糸をすることが割とある気がします。
一本や二本抜かれただけならヒヤッとしただけですみますが、傷が開いてしまうケースもあります。手術後そのまま外に放される野良猫の中に実際に何回か診たことがあるのですが、内臓がおなかの外に出てしまうケースまで中にはあります。
確かにこれらのことは珍しいケースかも知れません。
しかしこれらのトラブルが100回に1回起こっているならそれを1,000回に1回にすべく、1,000回に1回なら10,000回に一回に出来るよう獣医師は努力すべきだとおもいますし、傷に触らせないという事に関してはエリカラが最高だと考えています。
それに確率が低くてもそれに当たってしまえば、当たった子やその飼主さんにとってはそれがすべてですから、当然いやな思いをされるでしょう。
自分勝手ながら手術をした私にとってもすごくがっかりする出来事になると思いますし、胃も痛くなります。
エリカラ以外の方法も良いのですが完璧とはいえません。
絆創膏などの方法はある程度効果的ですし当院でも用意しています。しかし皮膚炎を起こしやすいという欠点がありますし、糸を自分でとってしまう程の子なら絆創膏を剥がしてしまうかもしれません。
たとえ不妊手術でもおなかの中にまでメスを入れるということですので、リスクもありますし、一生に一回のことですから、少し我慢してもらうことになっても出来るだけのことをしたいと考えています。
ちなみに当院ではエリカラの料金は決まっていますが、手術の場合には請求したことはほとんどありませんので遠慮なく使ってほしいです。
ショップなどで見かけると、やはりエリカラのお値段は高く何千円もするのが普通です。これを使わなくなると経費がすごく浮くので経営者としては助かるのですが・・・。